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6. 国際観光テーマ地区整備計画の概要

 

〈外客来訪促進計画〉平成10年10月 鳥取県・島根県・岡山県・香川県・高知県・島根県が鳥取県・岡山県・香川県・高知県の5県で共同して策定した〈外客来訪促進計画〉(東中四国国際観光テーマ地区整備計画)の概要は以下のとおりである。

 

前文

 

(1)これまで、外国人観光旅客が日本に持つイメージは、「ものづくり立国」の面が強く、観光としての訪問先も京都、日光、箱根、東京といった場所に限られていた。しかし、日本には、これらの地域以外にも、固有の自然・歴史・文化等の観光資源が豊富に存在し、外国人観光旅客が「日本らしさ」を実感を持って体験し、交流する場としての可能性を有している。

鳥取県、島根県、岡山県、香川県、高知県のある本地域の魅力は、日本海、瀬戸内海、太平洋といった特徴の異なる3つの海と、その間に挟まれた中国山地、四国山地といった2つの山が四季折々に作り出す変化に富んだ自然や気候にあり、日本海側で雪景色を見た数時間後には、太平洋側で菜の花を見ることもできる。また、各地に点在する城や出雲大社、金刀比羅宮などの神社仏閣、後楽園、栗林公園などの日本庭園、さらに松江市の塩見縄手、倉敷市の美観地区などの古い趣を残す町並みが数多く残っており、日本の心に触れることができる。また、それぞれの地域に受け継がれている味覚や工芸品、祭、郷土芸能などの生活文化を通じて、「日本」に出会うこともできる。このように、本地域は日本観光の縮図とも言える。

また、本地域への外国人観光旅客の来訪を促進することは、「日本らしい」観光資源を再発見、発掘し、魅力ある地域づくり、産業振興や雇用機会の創出、所得の増加など地域の活性化に大きく寄与するものであり、地域のアイデンティティーの確立をする上で、大いに意義のあるものである。

外国人観光旅客受け入れのために重要な国際航空路線としては、本地域にはすでに韓国に国際線が就航している空港もあり、平成10年夏には中国、グアムヘの路線開設、また、マレーシアへの路線開設の動きもあるなど、海外から本地域へのアクセスは、かなり恵まれた状況にある。また、国内の移動も、航空路、新幹線、高速道路網等の整備によりー段と便利になったが、とりわけ本地域においては、南北間のアクセスが非常に良くなり、日本海から太平洋までわずか4時間で移動できるようになった。このような交通インフラの整備が進む中で、今後は外国人観光旅客を受け入れていくために、各県連携して誘客、宣伝に努めるとともに、案内板の整備、滞在費の軽減など広域的な受入体制の整備を推進していかなければならない。

今回、鳥取県、島根県、岡山県、香川県、高知県は「ウェルカムプラン21」による「国際観光テーマ地区」を形成することにし、新法(「外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律」)に基づく「外客来訪促進計画」を共同で策定することにより、外国人観光旅客誘致に積極的に取り組んでいくものである。

 

(2)本テーマ地区の特徴は、変化に富んだ自然、また城や神社・庭園などに見られる伝統美、そこに住まう人たちが作り出す生活文化といった、日本の心に触れることができる点にあることから、テーマは「日本の心に出会う旅 三海二山」とする。

 

 

 

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