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来賓挨拶

 

運輸大臣 川崎二郎

 

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昨年12月に京都で開催された、気候変動枠組み条約第3回締約国会議において、二酸化炭素等、温室効果ガス削減目標が決定され、我が国は2010年前後に、1990年に比べ、6%の削減が義務づけられました。我が国の二酸化炭素排出量の約2割を占めている運輸部門からの排出量は、自家用乗用車の増加、大型化等により、年々増加しています。このまま自然に推移した場合、2010年には、1990年に比べ、約40%の伸びが予想されており、対策の実施により、これを17%の伸びに抑える必要があります。私どもといたしましても、運輸部門の約9割を占める自動車からの排出量削減を中心に、今後物流の効率化や、公共交通機関の利用促進をはじめとする、地球温暖化対策を強力に進めていくこととしております。

中でも、自動車単体の二酸化炭素排出削減は、自動車の燃費向上を図るため、改正された省エネ法に基づき、より厳しい燃費目標値を定め、自動車メーカーの技術開発を促進するほか、自動車関係諸税の税額を、燃費のよい車ほど安く、よくない車ほど高くする、いわゆる自動車関係税制のグリーン化について、運輸政策審議会に諮問をして、審議をお願いしているところであります。地球温暖化は、日常生活と密接に関連しており、国民1人ひとりが被害者であると同時に加害者であることから、厳しい削減目標を達成するために、個人の意識の変革も重要となってまいります。

本フォーラムを主催されている交通エコロジー・モビリティ財団は、この事柄の重要性をよく認識され、平成9年度より、エコドライブ普及推進協議会を組織されて、地球に優しい運転方法、いわゆるエコドライブの普及に努めてこられたところであり、本日、交通・環境フォーラムを開催されるに至ったご努力に敬意を表したいと思います。このエコドライブの実践は、まずトラック、バス、タクシー等の運輸事業者や、ドライバーの方々が率先して実施していくことが、運動を広めていく第一と考えております。

本日、この後に審査結果が公表されることになっているエコドライブコンテストでは、運輸事業者はもとより、自家用車を使用する一般の事業者からも、多数のご応募があり、大変盛況であったと伺っており、運動の広がりに意を強くしているところでございます。今後とも、このようなコンテストやフォーラムの場を通じて、交通エコロジー・モビリティ財団をはじめ、関係各位のエコドライブの普及、ひいては地球温暖化防止に向けてのご努力が、さらに深まることを希望いたしまして、簡単ではございますが、ごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

 

 

 

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