日本財団 図書館


(3) 沿道環境の改善

 

1) 大気質への影響

マイカーからP&BRへの移行に伴う大気質への影響については、窒素酸化物(NOX)、一酸化炭素(CO)、硫黄酸化物(SOX)及び浮遊粒子状物質(SPM)の排出量の変化を検討する。

 

a) 検討の前提条件

1] 検討は、各ルートの起終点間で、マイカー利用からシステムバス利用に移行することによる排出量の減少をケース別に計測するものとする。

2] 車種別速度別排出係数は、建設省及び東京都のデータが一般的であるが、車種区分等が細かく用意されている東京都のデータを使用する。(平成12年値、表2-2-7参照)

3] 走行距離は、バス運行ルートの実測距離よりラウンド値として、Aルート;20km、Bルート;10km(いずれも片道距離)と仮定する。

4] 平均走行速度は、事前交通状況調査データより、いずれのルートも20km/hと仮定する。なお、これらの値はマイカー及びバスとも同じと仮定する。

5] バスの平均乗車人員は、今回の実証実験に投入する車両の最大乗車人員がAルート;55人(観光バスタイプ)、Bルート;約80人(路線バスタイプ)であることや、路線バスの運行実績等から、いずれも50人/台と仮定する。

マイカーの平均乗車人員は1人/台と仮定する。

6] マイカーからシステムバスへの移行量は、100人〜500人の間でケース設定する。

 

b) 試算結果

以上の仮定に基づいて、P&BRシステム移行量ケース毎の4物質排出量の減少を試算した。結果は表2-2-6に示す通りである。また、ルートA、Bの差は走行距離の差のみであるので、ルートAについてのみケース5(P&BRシステム移行量500人、往復1,000台)について図2-2-8に示した。

1] 1台当たりの乗車密度(乗用車;1人/台、バス;50人/台)は同じであるが、車種別の排出係数が異なるため、削減量及び削減割合は各排出物質により異なる。

2] 物質別の排出量削減量及び削減割合は、窒素酸化物で約1,400g(36%)、硫黄酸化物で約260g(73%)、粒子状物質で約190g(46%)となっている。

3] また、一酸化炭素については、削減量が約29.8kgと最も大きく、削減割合も96%と最大である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION