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(1) 配車計画段階における施策

1] ポケベルを利用した傭車システム

【ポイント】

○自社で対応できない依頼に対して、短時間で配車できるようになる。

○空き車両の利用を高度化することにより、環境面、交通渋滞軽減にも寄与する。

○事務局を設置する必要がないことから低コストでの運用が可能である。

○新たなヒューマンネットワークの創出を支援する機能をもっている。その後、直接相互斡旋のやり取りを行う例もある。

 

<ヒアリング調査で把握された事例>

・ポケベル傭車システムは依頼を受けた運送事業者が、自社で対応できない場合あるいは対応するにも配車に時間がかかるような場合、依頼情報を他社に流し、より短時間で配車できる運送事業者が対応するものであり、また、このように互いに空いている車両を利用することで予備車両も削減されて輸送効率化を図ることができ、走行距離が少なくなるため、環境面、交通渋滞軽減にも寄与する。

・ポケベル利用のメリットとして、

「コストが安い」「災害に強い」「扱いやすい」「即時性がある」

の4点が挙げられる。

・まず、荷主と荷主から直接依頼を受けた運送業者間で決裁が行わる。その後、荷主から直接依頼を受けた情報発信者と傭車を引き受けた業者との間で決裁が行われる。ポケベル傭車システムは事務局の維持費が不要のため、ネットワーク運用のための傭車成約手数料を徴収する必要がなく、コストが抑えられるという利点が挙げられる。情報の手数料を徴収する場合などは、その内容は情報の流し手と受け手の二者間で個別に取り決められることになっており、決済も個別に行われる。

・ポケベル傭車システムでの連携を契機として、その後、相互斡旋が直接行われている融通配車も多いと見られている。

・一旦関係ができてしまえば電話での相対取引に移行してしまうため、この発信件数をもってポケベル傭車システムの効果を評価することはできず、実際には効果はもっと大きな効果をもたらしていると考えられる。

 

【参考】ポケベル傭車システム(フラミンゴ)の概要

(先進的事例の紹介)

 

* 目的

・異なる運送事業者同士が協力して融通配車をし、輸送効率を向上させることにより、地球温暖化、大気汚染等の輸送による環境への負荷軽減や輸送効率の向上など、中小運送事業者を取り巻くさまざまな課題を解決する。

 

 

 

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