序. 調査の概要
1. 調査の背景と目的
(1) 物流を取り巻く環境問題の動向
環境問題への世界的な意識の高まりを受けて、我が国の物流分野においても、「総合物流施策大綱」において施策展開の目標として環境への配慮が明確に位置づけられるなど、環境問題への配慮が重要な課題となっている。
物流による環境への影響は、エネルギー消費、温室効果ガス等排気ガスによる環境影響、主としてトラック輸送による振動・騒音による生活環境への影響である。
中でも、二酸化炭素に代表される温室効果ガスについては、1997年に開催された「気候変動枠組条約第三回締結国会議」において採択された京都議定書において我が国は、温室効果ガスを2010年前後に1990年比6%削減することが義務づけられた。
(2) 運輸部門による二酸化炭素の排出
わが国における運輸部門の二酸化炭素排出量は年々増加しており、1995年度で6,780万トン(炭素換算)であった。また、二酸化炭素排出量全体に占める運輸部門の比率も上昇傾向にあり、1995年度では20.4%となっている。