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III.未来につづく運輸交通システムのために

 

今後とも持続可能な運輸交通システムを維持していくためには、環境問題個別に対策を講じるのみならず、運輸部門全体を俯瞰し、引き続き地球環境の観測・監視を行うと同時に、未利用エネルギーの積極的な活用や環境の復元と創造など長期的視点に立った対策を進めていく必要があります。

 

1. 地球環境の観測・監視

 

大気や海洋の変動を正確に把握するためには、長年にわたる地道な観測・監視が必要です。

海上保安庁においては、本州南方から赤道域において測量船による水温、塩分、海流、波浪及び海洋汚染の定常モニタリング観測等が実施され、各種データが収集・蓄積されるとともに、日本海洋データセンターを通じて世界各国とデータの交換が行われています。

また、地球温暖化をはじめ地球環境、気候変動問題に対しては、国際的な協力が不可欠であり、世界的な監視ネットワークの一環として大気、海洋等の観測・監視が気象庁において実施されています。このうち、世界気象機関(WMO)の全球大気監視計画に沿って、南鳥島(東京都)、綾里(岩手県)、与那国島(沖縄県)、南極昭和基地等において大気中の二酸化炭素等の温室効果ガス濃度、オゾン層等の観測が実施されるとともに、海洋観測船及び定期航空機により、温室効果ガスの深海から上層大気までの総合的な観測が行われています。

●北西太平洋における海洋―大気間の二酸化炭素濃度差の分布

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青で示した海域で海洋が大気の二酸化炭素を吸収し、赤で示した海域で海洋から大気へ二酸化炭素の放出が生じている(海洋気象観測船「凌風丸」の観測による)。

資料:気象庁

 

●オゾンゾンデによる観測

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●気象庁海洋気象観測船「凌風丸」

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