(2) 出発時のドア同期制御の考え方(一例)
ドア閉時においては、図4.2-3に示すように、通行者の前方の2枚ドアは退路を確保しなければならない。
即ち、乗車客の前方の車ドアが閉じる寸前で乗車を諦める時に、ホーム側に戻れるようにホームドアは遅れて閉じる必要がある。
よって、車両ドアの閉特性に対するホームドアの閉特性(即ち2枚ドアの同期制御条件)は図4.2-4に示す関係となる。
(3) 駅停車時分の検討例
上記に述べた考え方に従って、仮定モデルによるホームドア設置前と設置後の有効乗降時分の検討例を図4.2-5に示す。
図4.2-5の検討によると、ホームドア設置により停車時分20秒に対し約2秒の乗降不能時分が生じ、停車時分を22秒に延ばすかまたは別の手で遅れをカバーするなどの対策が必要となる。
なお、ここで設定した乗降不能時分2秒は、車両-地上間伝送方式、各ドアの開閉時間の変動幅により変わるものであり、図4.2-5の値は推定したモデルの値を示している。