3.1.4 流速ベクトル分布計算結果及び検討
各港における流速ベクトル分布を港内各点での津波水位時系列と共に検討した。
(1)尾鷲港
尾鷲港における津波水位時系列出力点を図3-1-8に、津波水位時系列及び津波流速時系列を図3-1-9(1)〜図3-1-9(5)に示す。
港口から港内に進むに従い、津波の波高は増幅し、地点1では第1波の押し波が約2mであったのに対し、湾奥の地点4では3mを越す高さとなっている。
津波の最初の押し波が地点1に達するのは地震発生約18分後、港奥の地点4に達するのは約20分後である。
「東南海大地震調査慨報」(中央気象台、1945年)によると、第1波の来襲は地震発生後20分であり、第1波が最大であったが、計算結果においても第1波が最大になっている。
尾鷲港における流速ベクトル分布図を図3-1-10(1)、3-1-10(2)に示す。
地震発生16分後では、最初の押し波が到達し、流れも湾奥に向かう方向になっている。
その後、地震発生22分後では、湾外に流出する流れが見られる。