3.1.3 津波計算水位と検潮記録との比較
(1)昭和東南海地震
昭和東南海地震津波来襲時には、内浦、松坂、下津、土佐清水で検潮儀が津波を時系列として記録している。そこで、各検潮所の位置における計算津波水位時系列と実測津波水位の比較を行った。ここで検潮記録上に地震で針が飛んだ跡のあるものは、その時刻を地震発生時刻として時刻を補正した。
検潮記録と計算結果の比較を図3-1-7(1)〜図3-1-7(4)に示す。ここで、各図の太線は実測津波水位、細線は計算津波水位を表す。
内浦では、津波の第1波は、実測よりもやや遅く計算されているものの、実測とよく合っている。
松坂では、計算結果は実測よりも10分ほど遅れるものの、全体の波形をよく再現している。
下津では、計算された津波の第1波到達時刻は実測とよく合っており、全体的な波形も実測と相似している。
土佐清水では、計算された津波の第1波は、実測より8分早く到達しているが、全体的な波形は実測と似た形となっている。