(2)スペックルノイズ低減フィルターの影響
SAR画像では判読性やS/N比の向上のためスペックルノイズをフィルターにより除去することが行われる。平成9年度の解析においても平均フィルターを使用してスペックルノイズの低減処理を行い解析に用いた。このフィルターが解析に与えた影響を見るため、前処理なしの画像と平均フィルター及びメディアンフィルターの前処理済画像を基にした解析結果を比較し、前処理による解析結果への影響を評価した。
1] 解析方法
比較したケースはフィルターなし、平均フィルター(7×7ピクセル)、メディアンフィルター(7×7ピクセル)の3種類である。
8bit/ピクセル化したオリジナル画像と平均、メディアンフィルターをそれぞれかけたものとから標準偏差/平均比画像を作成し、目視及び相関係数による比較を行った。
2] 解析結果
フィルターなしのケースでは他のケースに比べ標準偏差/平均比画像では多少コントラストが弱く感じられた。平均フィルター・メディアンフィルターの間では大きな差は見られなかった。
また、画像間の相関は表6の通りであり、フィルターなしとその他のケースの相関が多少低いもののフィルターをかけたケースどうしでは0.9以上の高い相関を示し、フィルターによる影響は小さいことが分かった。