第6章 高次機能を担うメガフロートの活用イメージ
本章では、本年度分の主たる検討課題である第5章までの検討結果をとりまとめ、次年度に実施する事業化計画の枠組みを設定するために、呉市に望まれる高次機能の内容及びメガフロートの特性に関する再整理を行う。
1 呉市の新たな役割に対応した高次機能
第1章から第5章までの検討では、呉市が地方拠点都市地域における中心性を高め、広域の発展を牽引していくために整備が望まれる高次機能として以下の4つの機能が検討された。今後港湾計画を策定する際には、これらを踏まえつつ、「呉港港湾計画策定調査」等において必要な機能、空間創出の必要性等についてさらに詳細な検討を行っていく。
(1) 呉港の新しい機能を担う
呉市、呉地方拠点都市地域は、陸上高速交通基盤へのアクセス環境が十分とはいえないため、地域の自立的発展のためには、海からのアクセス環境の強化が対応すべき必須課題である。
また、これに加えて「陸」「海」「空」の広域連携基盤整備を活かした他地域、海外との広域連携・交流機能の整備が必要である。しかし、呉地方拠点都市地域の県内での位置付けが低下傾向にある中で、中心都市呉市における広域交流拠点機能を整備し、地域内における呉市の求心力を強化し、地域内の相互連携基盤の整備による相互連携・交流の促進が必要である。
(2) 広域防災拠点としての機能を担う
呉市では、軟弱な地盤で形成されている臨海部・平野部に、人口、産業、交通基盤、都市基盤等が集中・集積している。また、呉市の市街地を取り囲む急峻な山地に土砂災害危険区域が広く分布しており、地震、豪雨等の大規模災害時には陸上交通網が寸断しやすく、市街地が周辺地