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(4) 地域整備の観点からみた呉港整備の課題

呉市及び呉地方拠点都市地域は、中国縦貫自動車道、山陽自動車道といった県内を東西に貫く高規格の主要幹線軸へのアクセス環境が不十分である。また、重厚長大型産業に特化した産業形態から、鉄鉱石、コークス等の原材料や鉄鋼、林産品に偏った貨物取扱特性となっている。陸上出入貨物の発生地の大半は呉市内であり、背後圏として位置づけられる広島広域都市圏東部からの取扱はほとんどない状況である。また、中国木材、王子製紙等の市内主要企業の貨物輸送も広島港等の他港利用が見られる。

しかし、今後は背後地域では広島中央テクノポリスに関連した産業機能整備の進展が期待される。さらに東広島呉自動車道の整備実現により、これら背後圏とのアクセス環境は飛躍的に向上する。併せてモーダルシフトの進展やコンテナシフト化に伴う港湾輸送需要の高まりにより、背後圏企業の貨物取扱量は、今後増加するものと見込まれる。

一方、呉港は、西瀬戸地域における交流圏形成の基盤として、瀬戸内航路を利用した国内主要都市間連携の強化、呉市及び呉地方拠点都市地域の自立的成長の牽引等の役割に対応した港湾機能強化が求められる。今後、港湾計画を策定する際には、これらをふまえつつ、「呉港港湾計画策定調査」等において必要な機能、空間創出の必要などについて、さらに詳細な検討を行っていく。

 

 

 

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