2 個別テーマに関わる将来基本方針と課題
(1) 災害時における呉港の役割と機能整備方向
阪神淡路大震災以降、災害時の港湾の役割を、物流機能の維持に加えて、被災地の応急・復旧・復興活動の支援拠点として位置づけ、地震に強い港湾整備が打ち出されている。
(2) 地域防災計画における位置付け
ア 広島県の地域防災計画における呉港の位置付け
「広島県地域防災計画(震災対策編)」(平成10年5月修正)では、港湾の整備として、重要拠点港湾の整備、海上緊急輸送ネットワークの構築、港湾施設の耐震性の向上についての方針が記述されているが、具体的な呉港としての役割は記述されていない。なお、広島湾港湾整備長期計画ビジョンでは、港湾を「防災拠点」と位置付けている。
イ 呉市地域防災計画における位置付け
「第1節 防災都市づくりに関する計画」の「2 防災上重要な公共施設等の整備」において、以下の観点からの港湾施設の整備について記述している。
○ 防災拠点港湾の整備
震災時に被災者の避難及び応急対策に必要な要員、物資等の迅速かつ確実な輸送を確保するため、広島県における重要拠点港湾として、宝町地区及び阿賀マリノポリス地区に耐震強化岸壁を整備し、背後に避難場所や物資の保管など多目的な利用が可能なオープンスペースとして、港湾緑地や埠頭用地、さらには、緊急通行路として臨港道路を一体的に整備し、臨海部における防災拠点としての機能整備を推進する。