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3 社会構造の転換期としての少子・高齢社会

(1)経済活力の低迷に対する懸念

少子化の進行は、平均寿命の伸長と相まって急速に人口の高齢化を促進させており、我が国は未だ人類が経験したことのない少子・高齢社会に急速に突入しつつある。少子化と高齢化の進行は、国民負担率の増大、貯蓄率の低下、労働力人口の減少など、将来の社会経済に様々な深刻な影響を与えることが懸念されている。

このような少子・高齢化のもたらす影響は、程度の差はあるものの本市においても顕著になりつつあり、社会保障費(医療、福祉、年金など)の市財政及び個人所得に対する負担が増大しつつあり、市民の生活水準への影響に対処しなければならない状況にある。

 

(2)地域コミュニティの新たな役割

少子・高齢社会の進行は核家族化と相って、地域の活性化、コミュニティの維持に対しても阻害要因となる場合も多く、家族の介護能力や近隣地域社会の相互扶助機能などの低下が生まれつつあることも否めない。

「住む」、「暮らす」、「移動する」、「働く」、「楽しむ」といった生活行為を総合的に支援するために、地域コミュニティの役割が重要性を増している。

 

(3)子どもの社会性の弱さ

少子化は、一人の女性が生む子どもの数の減少の結果としてだけではなく、単身者や子どものいない世帯が増加した結果でもあり、家族の変容という社会面での影響も大きい。とくに、単身者の増加は、家族をそもそも形成しない者の増加を意味しており、「家族」という概念そのものの意味を根本から変えていく可能性さえある。また、子どもの人づきあいの観点からすると、子ども同士や世代間の交流の機会の減少、過保護化などにより、子どもの社会性が育まれにくくなるなどの影響も無視できないものがある。また、学校生活をめぐっては、いじめや不登校児童の問題が派生し、深刻さを増している。

 

 

 

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