第1章 大崎上島の社会経済条件と3町連携・協力の状況
1 大崎上島の社会経済条件
(1) 大崎上島3町の位置・面積
大崎上島は、安芸灘諸島の東部に位置し、東は愛媛県大三島、北部から西部にかけては竹原市、安芸津町と相対する。また、島の南西部には下大崎群島、蒲刈群島が連なり、安芸灘諸島を形成する。
大崎上島は、大崎町、東野町、木江町の3町から構成され、属島の生野島などを含めて大崎上島3町の行政面積は43.43km2である。
島のほぼ中央に主峰、神峯山(452.8m)があり、その尾根が海岸線まで迫る瀬戸内海離島の特有な地形条件を形成している。地形条件により東野町及び木江町では平坦地に乏しく、集落は、海岸線に沿って形成する。こうした地形条件から、大崎町が北西の安芸津町を向き、東野町は北の竹原市、木江町は東の大三島を向くなど、3町が相互に背にした居住形態となっている。
地形条件や戦前までの他地域との船による交流を反映し、歴史的に大崎町は安芸津町、東野町は竹原市、木江町は今治市との経済圏や依存構造を形成し、3町間のつながりが乏しい歴史的経緯があるように思われる。(図表1-1参照)