(ウ) 商業流出入
天竜市の周辺地域での大型店の立地をはじめとした商業集積により、相対的に本市の集積が低下しているのが実態である。これを端的に表しているものが、他地域への商業流出動向である。
図表1-16は、本市への商業流出入を示したものである。
本市への流入を見ると、主として北遠地域の町村や東隣接の豊岡村からである。しかし、平成9年の調査では、龍山村を除いていずれの分野においても流入率が30%を超えるものがなく、本市の商圏が崩れつつあるものとみられる。つまり、特に北遠地域の町村においては、本市を通過し、浜北、浜松方面へと、買い物客が流れていることが予測される。
また、平成9年度における本市内からの流入(地元での購買率)が、買回品で50%を切っており、本市の商業は、単独商圏を形成するのも危ぶまれるほど、求心力が弱まっていると見ることができる。
本市からの流出を見ると、多くが浜松市、浜北市である。買回品については、何れの分野においても50%以上の流出となっており、本市は、浜松市の2次〜3次商圏の中に組み込まれていると見ることができる。
つぎに、平成6年及び平成9年における静岡県内の地元購買率を示したものが、図表1-17、図表1-18である。
本市は、平成6年から平成9年にかけて、地元購買率が10ポイント以上も低下しており、この数字から見ても求心力の急速な低下が看取される。
静岡県内全体の中でも、本市は、市部としては熱海市に次いで、地元購買率が低い状況となっている。