まさに、地域住民の高いリサイクル意識と緊密な連携の確保が求められるのである。また省力・省エネ型の機種を導入したり、行政が維持管理に関するノウハウを蓄積して参加する区民に情報を提供するなどの対応も必要となる。
ウ 二次処理施設の仕様
生ごみ処理機を微生物型とするか乾燥型とするかの選択は、区民あるいは地域に委ねられる。そのため、それぞれの方式に応じた性状の一次処理物が生産されることになり、性状の異なる一次処理物を混ぜると、良質な肥料・堆肥を得ることが困難となる。二次処理施設は、それぞれの方式で処理した一次処理物を別々に処理できるよう整備する必要がある。
また、二次処理施設で製造する肥料・堆肥を使用するのは農家であり、二次処理でどのような加工するかは、農家の要望をより詳しく調査して、反映させる必要がある。
エ 生ごみ肥料・堆肥についての農家の理解
生ごみ肥料・堆肥の需要を確保するためには、利用先である農家の理解を得る努力が必要である。農家の中には生ごみ肥料・堆肥を「ごみ処理を農家に押しつけるもの」として捉えている人もいると考えられる。国や都などの協力を得て、生育試験や成分試験などを行い有効性を確認し、これらの情報を農家に提供することで、生ごみ肥料・堆肥は「ごみ」ではなく「製品」であるとの農家側の認識を得ておくことが必要である。
また、生ごみ肥料・堆肥に含まれる成分を定め、二次処理施設において不足している成分を添加するなどの成分調整を行うことによって、安定した成分の肥料・堆肥を供給できる体制を整備することも必要である。
オ 生産した農産物の販売ルート確保と生産者と消費者の交流の促進
生ごみ肥料・堆肥によって生産された農産物の安定的な需要を維持するためには、農家の直販所や区内商店街などと共同した販売ルートづくりなど、区内での販売ルートの確保が必要となる。そのために、生ごみ肥料・堆肥を使用した地域農産物が「練馬ブランド」として普及するための仕組みづくりを行う必要がある。このブランド化事業については、京都市の事例が先例としてあげられる。