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2 3都市におけるケーススタディ

(1) 前橋市

ア 前橋市/中心市街地再生の課題

これまで25haの中心商業地での活性化に向けた取組は、地元、行政が一定の成果をみているが、今後の再生に向けては、現況やヒアリング調査の結果をふまえ、以下の諸点が再生の課題として整理される。

 

1]百貨店、専門店などが合わさった相乗的な魅力づくりになっていないため、大型店、個店の両面での地盤沈下が顕著となっている。また、新陳代謝の中で、広域商業核として集客していくためには、新しいやる気のある人を引き出すような仕組みづくりが求められる。

2]中心商店街としては、<まち>としての魅力が不十分で、新たなマグネットとしての力とともに、回遊性の強化が求められる。

3]再生の主体となる組織として、従来型の行政支援、商店街活動での限界が明らかであり、TMOなどによる強力なプログラムづくりとその実行が求められる。

4]まちにいってみたくなるための環境づくり、イメージプログラムが必要であり、駐車場の運営方法や遊歩道ネットワーク、話題となる文化施設、交通システムの導入などが求められる。

5]前橋市の顔となる、前橋駅〜中心商店街〜官庁地区にいたる中心市街地の魅力づくりの中ではとくに駅周辺地区の明確な方針と核的機能の導入が求められる。

6]都心居住の条件についても、地価の問題を除けば、公共施設や生活環境などの面から、一定の可能性を有しているものと判断でき、地価を顕在化させない開発手法や、税制面での見直しや支援方策、あるいは住宅に対する公共施策の拡充を検討していく必要がある。

7]前橋市民が中心市街地を自分たちの余暇の交流などの活動拠点として位置づけ、週末には様々なイベントや活動に参加できるようなプログラムとしくみづくりが求められる。

長期的には公共公益施設の再配置などを視野に入れた方策の確立も求められる。

 

 

 

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