(3) 中心市街地の目標を設定する
中心市街地の将来像とあわせ、中心市街地において達成していくべき目標を具体的に設定していくことが重要であり、とくに、曖昧な言語的表現ではなく、数値的目標を設定し、その実現のエネルギーを結集していくことが望まれる。
その際、目標値が将来像などに関連づけられていることが基本的な要件として重要である。また、以下の2点を重視していく必要がある。
○具体的な目標の設定
都心居住に対応した夜間人口の増加目標など、基本的な指標とともに、話題性あるユニークな目標なども検討したい。また、目標達成を祝うセレモニーなどもモティベーションを高めていく方策として重要である。
夜間人口、昼間人口、交流人口、観光客数、商業集積シェア、空き店舗活用件数、生け垣延長、滞留時間 など
○連続的な目標の展開
活性化のシナリオのもとで、各段階で達成すべき目標を明示し、それらの連続的な展開により、将来像の実現を図っていく。
<参考事例>
○桑名市:中心市街地人口の1万人増加
〇金沢市:平成15年の歩行者交通量2割増
○大垣市:10年後の居住人口及び商品販売額の数値目標を設定
○足利市:学識経験者からなる組織により活性化の効果や達成度を総合評価
(4) シナリオの骨組みをつくる
中心市街地再生の基本戦略に沿って、再生のシナリオを計画するための最初のステップとして、シナリオの骨組みをを組み立てていく必要がある。そのための検討の枠組みとして、様々な切り口からのアプローチを統合し、例えば次のようなシナリオを具現化していくことが重要である。
○都市基盤主導型シナリオ:ハードな都市整備事業をテコにした再生のシナリオ
○商業振興主導型シナリオ:新たな商業核の導入や環境整備を中心としたシナリオ
○ソフト施策主導型シナリオ:既存資源の活用や情報発信を主眼としたシナリオ
ア 再生の基本的シナリオ
再生の基本的な戦略を検討する場合、図表2-23のようなシナリオの考え方を参考にされたい。