日本財団 図書館


序 調査研究の概要

 

1 調査研究の目的

現在、急速なモータリゼーションの進展や消費者のライアスタイルの変化、大型小売店など商業施設の郊外展開、地価高騰の影響により、地方都市などでは中心商業地における商業機能の空洞化や人口の流出が進んでいる。このような環境変化のもとで、平成9年6月1日の全国小売業商店数は142万店となり、平成6年と比べれば8万店、5.4%の減少となっている。このような状況のもとで、中心市街地の活性化が全国的な課題となっており、国においても建設省、通産省、自治省など13省庁がそれぞれの立場からこの問題に取り組んでいる。

群馬県では、車への過度な依存、商業・交流などの生活関連施設の郊外化、居住地の拡散などの進展により、まちの中心市街地において、空閑地・空き店舗の大規模な発生、にぎわい。魅力の喪失、居住者・人通りの減少などの問題が急速に深刻化してきている。

中心市街地はそれぞれのまちにおいて、生活文化の中心として、商業業務機能、交流機能、生活支援機能などを集積させてきており、その再生は、まちの魅力や個性ある顔づくり、住民のまちへの愛着、様々な年代層の住民の多様なふれあい、まとまりのある環境負荷の少ないまちづくりなどを実現していくうえで、喫緊な問題となっている。

このため、群馬県では平成8年度以降、県庁内部で独自の中心市街地再生制度に関する研究会を設置し、平成9年度にはその一環として県内の事例都市においてケーススタディを実施してきた。そして平成10年度に「まちうち総合再生事業」を制定し、市町村と地域住民が一体となって活性化を目指そうとする取組に対して総合的に支援する体制を整えたところである。

本調査研究の目的は、同事業制度の適用に向け、市町村への資料提供やガイドライン作成に資するため、県内各都市の現状を調査研究し、その原因や問題点を分析し、基本方針や整備課題を明らかにすることにより、中心市街地の再生方策を検討しようとするものである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION