(4) おわリに
今後の人材活用の一番のポイントは、能力主義をいかに導入していくかにある。地方公務員法をはじめとする現在の法体系の下では、給与については特別昇給などの対応となり、民間企業のような大胆な差をつけることができない。能力主義をいかに活用して職員のインセンティブにつなげていくかということが一つの課題になっていくが、能力・実績主義が導入されると、職員の人事評価をどのように行うのかということがますます重要となってくる。
中小市町村においては、人材確保、人材育成について、職員数が少ない中で専門的な教育が難しいなどの様々な問題を抱えている。この問題に対応する方法として市町村合併を主張する向きもあるが、合併が進まない状況では、中途採用、職員派遣などの方法を模索していく必要がある。
地方公共団体の職員数については、平成元年から平成6年までは職員数の増加の状況はあったが、平成7、8、9年で減少している。都道府県については、教育公務員の減少が公務員数を下げているが、市区町村組合については、福祉関係、社会資本整備、介護保険などの要因により市町村職員が今後増加する状況が出てくるだろう。(図表2-25参照)
日本においては、人口1,000人あたりの公務員の数は、諸外国と比べて少ない状況で、行政を行っている。また、最近の動きとして、助役を置かない団体も出てきているが、地方公共団体の組織のあり方を探り、時代の変化に対応した意思決定の迅速化などを図る様々な試みが広がりつつあるので、今後の動きに注目したい。