3.2 新しいモニタリングのための要素技術
3.2.1 船体運動から波浪現況を求める方法
航行中の船舶で波浪情報をモニタリングする技術は、SR233AMSにおいても重要であり、船体を波浪計化する方法などについて研究した。
(1) 波浪モニタリングシステムの提案
・船体に搭載するモニタリングシステムセンサーを使用する。
・波高の特定精度としては±10%、波向きについては±10%を目標とする。
・簡易型と詳細型(表3.2.1参照)の両方を提案する。
・波長が短い場合でも、長い場合でも対応可能である。
・レーダによる波浪情報も活用する。
上記の仕様を満足する波浪モニタリングシステムを提案した(表3.2.1)。
この波浪モニタリングシステムの提案のために、船体を波浪計化する方法(運動応答→船体の周波数応答→遭遇波浪の順に推定する)を検討し、汐路丸、コンテナ船、バルクキャリアの実船計測データを使って、その推定精度を確認し(図3.2.1.1にその1例を示す)、さらに、本システムを実船に搭載して船上で解析することで、その実用性を検証した(図3.2.1.2)。