5. 今後への期待
提案した高度モニタリングシステムが社会に役に立つにはこうした技術が経済性や安全性を確保していく為に有用な方法であるという社会的認知が必要である。また3年間の研究は基礎研究なので高度モニタリングシステムの完成度をあげるにはさらなる課題も残されている。例えば性能面では評価の為にもう少したくさんの船のモニターを実施しデータを集積・解析するとともに推定・評価が可能な設計システムへと展開していく必要があろう。また構造面ではタンカーのフィールドテストも実施し、タンク内環境でのセンシング技術を検証し、防爆性や耐久性にすぐれたシステムを開発する必要があろう。
本研究の流れも踏まえ今後の研究として下記テーマが計画されている。それぞれの中で本研究の成果が活用されるとともに本研究で実施されていない範囲の研究がさらに展開されるように期待したい。
・新しいフリートサポートシステムの開発 〜SR233AMSの評価・適用研究
・実海域対応の船舶性能設計システムの研究 〜推定・評価が可能な設計システム開発
・二重殻タンカーの船体構造寿命に関する研究 〜タンカーバージョンの試行
現在、様々の分野でモニタリングが行われるようになっている。本研究で提案したモニタリングシステムを叩台に海運・造船界に於いてもその必要性/有用性等が十分議論され本研究が安全性/経済性に寄与できることを期待したい。