第3章 フェリー(海上運送)事業に係る規制の現状と緩和の方向
1.旅客フェリーに係る規制の現状と緩和の方向
1)旅客フェリーに係る規制の現状
本調査研究の対象である中・長距離フェリーは、13人以上の旅客定員を有する船舶であるので、自動車航送(注1)も行う「旅客船」である。便宜上、ここでは「旅客フェリー」と呼称することとする。一定の航路において、一定の日程表に従って、旅客船により、不特定多数の者の需要に応じ、不特定多数の人を運送する事業は、海上運送法(昭和24年法律第187号)では「一般旅客定期航路事業」として捉えられ、参入、退出、運賃・料金等について規制を受ける。その概要は表3-1のとおりである。
(注1)「自動車航送」とは、船舶により自動車(二輪をのぞく)並びに次に掲げる人及び物を合わせて運送することをいう(海上運送法第2条第10項)。
(イ)当該自動車の運転者
(ロ)(イ)に揚げるものを除き、当該自動車に乗務員、乗客その他の乗車人がある場合にあっては、その乗車人
(ハ)当該自動車に積載貨物がある場合にあっては、その積載貨物