日本財団 図書館


4]規制緩和の進展

・政府においては、事業者のより自由な活動により経済活性化等を図るべく、各種分野における規制緩和を進めているところであるが、港湾運送事業についても、平成9年12月に「現行の事業免許制(需給調整規制)を廃止し許可制に、料金認可制を届出制にすべきである」ことを主な内容とする行政改革委員会の最終報告書が橋本首相に提出された。

・このため、具体的な規制緩和の進め方等について審議を行うべく、平成10年5月に運輸政策審議会海上交通部会港湾運送小委員会が設置され、12月に中間報告がまとめられた。そこでは、港湾運送の規制緩和について、まず主要9港において先行してこれを実施し、併せて労働者保有基準の引き上げを行うことにより、悪質な事業者の参入を防止するとともに効率的な経営・就労体制を確立すべきとの方向性が示されている。

・今後は、本年5〜6月に最終答申がとりまとめられ、平成12年内に規制緩和が実施される予定となっているが、これにより、港湾物流における競争が促進され、これまで以上の事業の効率化や、荷主のニーズに沿った新サービスの提供等が求められることとなる。

 

5]情報化の進展

・港湾物流分野においても、情報化が進展しており、荷主企業、物流事業者等の間をオンラインで結ぶ電子データ交換(EDI)が積極的に導入されてきている。

・また、通関手続の面においても、次期Sea-NACCS(海上貨物通関情報処理システム)が昨年10月から接続試験を開始し、本年10月からの本格稼働を目指して調整が進められている。これにより、通関情報処理センターのホスト・コンピュータが通関業者や銀行等における企業内LANと24時間接続し、対象業務もこれまでの輸出入申告業務だけでなく積荷目録や搬出入届等にも拡大することとなり、通関手続きにおける一層のペーパーレス化、ワンストップサービスが進展することとなる。

・さらに今後も、他の行政手続におけるEDI化が進められることとなっており、運輸省、海上保安庁、港湾管理者においては、入出港関連手続きをはじめとする港湾諸手続情報化について、次期Sea-NACCSの更改時期にあわせて運用開始すべく、現在、共同でシステム開発を進めているところである。

・このような情報化の進展により、港湾物流における事務処理の効率化が期待されるところであるが、これに伴い、港湾における物流事業者の役割も大きく変質していくことが予想される。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION