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3] ブレーキ座上下荷重

ブレーキ摩擦力1.2tf時に、パイプ製横ばりと、側ばりの結合部の補強リブ付け根に、2〜3kgf/mm2の低い応力が発生するのみで、強度的に問題はない。

4] 軸ばね座上下荷重(台車枠ねじり荷重)

左右レールの高低差による台車枠のねじりを想定し、20mm2の変位を与えたが、横ばりと側ばりの接合部補強リブ付け根に、1kgf/mm2程度の低い応力が発生するのみであり、パイプ横ばりが握り棒ばねの役割を果たしていると考えられた。

5] 軸ばね座左右荷重(台車枠開き荷重)

端ばりのないコの字形の一軸台車枠に、実車走行時にどの程度の開き荷重が作用するのか不明であるが、車輪横圧がかかっても、軸ばね直上の枕ばねが直接車体を支持しているので、台車枠には左右のアンバランスの分しか開き荷重はかからないと考えられる。

実際には作用しないと思われるが、左右軸箱部分より左右反対方向に開き荷重がかかったと考えて、荷重を負荷すると、開き荷重1tfの時、パイプ横ばりに取付けたブレーキ取付座の溶接部、横ばりと側ばりの接合部補強リブ付け根などに7〜11kgf/mm2の応力が発生することが判った。今後、現車試験でそのような事態が起り得るかどうかを確かめる必要がある。

6] 軸箱守り前後荷重(開き荷重)

ブレーキ作用時を想定した軸箱守り部分の前後荷重2tfに対して、軸ばね座縦壁付け根部分で、6kgf/mm2の圧縮応力であった。特に問題となる値ではない。

7] ストッパーゴム座左右荷重(開き荷重)

この種の一軸台車で、左右ストッパーが有効に作用するのかどうかよく判らないが、仮に作用したとして、1tfの開き荷重に対し、補強リブ付け根で10〜12kgf/mm2の応力が発生する。

現車で作用頻度を見た上で、対策の要否を検討する必要がある。

8] 横ダンパ座左右荷重

1.5tf負荷時に、横ばりとの溶接部で10kgf/mm2の応力が発生する。常時は500kgf程度の力しか働かないと考えられるので特に問題はないと考えられる。

全体として、この台車枠の発生応力は、二三の集中部を除いて低い水準にあるので、量産設計では、もう一ランク肉厚を薄くして、更なる軽量化が図れるものと判断される。

量産時に設計改良を要する部分は

けん引装置上下面板補強板

ストッパーゴム座補強リブ

の二箇所である。

 

 

 

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