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あとがき

ISCAは、当初、欧米地域で海洋少年団組織をもつ9か国が、毎年各国持ち回り主催の形で、国際交流に関する連絡会議を開催していました。そこで日本連盟としては、1992年のカナダ会議から当該主催国からの招請に応じ、オブザーバーとしてこれに参加していましたが、1994年に全世界的な協会とする新組織の設立総会が、イギリスのポーツマスにおいて開催されたのを契機に、加盟国の一員となりました。

1995年、南アフリカのケープタウンでの第1回会議に出席した相浦日本連盟会長は、1998年の第4回会議を日本で主催する旨表明し、これが議決され、1998年ISCA日本会議の開催が決定をみたわけであります。

1997年のスウェーデン会議に出席した本職が、同会議の最終日に、エリック・ワーレン現会長から議長用の木槌の引き継ぎを受け、以来、1998年日本会議にて、相浦会長からアメリカのブルース・スミス首席代表に同木槌を引き渡すまでの1年間、日本がISCA会長職を務めました。

スウェーデン会議終了後、直ちに日本連盟内にISCA日本会議実行委員会を設立し、準備に着手しましたが、大きな課題が二点程ありました。一点は、諸準備や本会議並びに視察、レディース・プログラム、パーティ等の関連行事を遂行できるスタッフ(語学力を含む)がそろうかという問題でした。結果としてこれは、主に関東及び東京地区連盟傘下の各海洋少年団の多くの皆様の献身的なボランティア活動により、乗り切ることができました。

二点目は、公用語が英語であるための通訳経費や物価高のため会議その他の諸行事に要する多額の資金を手当てできるのかという問題です。日本連盟では、経済不況の真直中にある日本国内において、これら必要な資金が確保できるのか、少なからぬ懸念がありましたが、日本財団や横浜市の補助金及び海外参加者の登録料をベースに、別掲協賛企業等からの浄財等により、これも解決することができました。

さらに、文部省、運輸省、海上保安庁からは、会議開催に係る助言や会議等へのご臨席を賜り、また、巡視船による視察等の便宜を供与していただく等多くのご支援を受けました。

このように、多方面にわたる皆様方の物心両面にわたるご支援を受け、私共は、ISCA日本会議を完結させることができたわけでありまして、心から感謝申し上げる次第であります。

したがいまして、本報告書は、その集大成であり、内容的には各国代表の発言をできる限り、忠実に記載してありますので、これらの中から世界各国の海洋少年団運動の一端を垣間見ることができるのではないかと思います。

 

(日本連盟専務理事 柳田幸三)

 

 

 

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