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長野調査資料4]

 

「澄んだ諏訪湖」「泳げる天竜川」を取り戻そう

 

諏訪湖・天竜川水系健康診断の趣旨と目的

 

私たちは、水から多くの恵みを受けています。家庭での生活にはじまり企業などの生産活動までも、水が無ければ私たちの生活は成り立ちません。しかし、戦後の経済の発展に伴って河川に流入する排水の水質は悪化の一途をたどり、全国各地で湖や河川の汚染問題がクローズアップされてきました。諏訪湖や天竜川もその例外ではなく、富栄養化や水質汚染が進行していました。現在では、その後の対策により水質は向上してきていますが、昔のような状態にはとても及びません。かつての清流を取り戻すためには、個人や特定地域だけの限られた活動に止まらず、川の流れのように上流から下流までの圏域全体としての活動を行うことが求められています。

 

このような状況のなかにあって、諏訪湖・天竜川水系の実体を把握するため、健康診断と名付けた水質調査を実施いたしました。天竜川の水源である諏訪湖に流入する河川にはじまり、天竜川の最上流部「釜口水門」から遠州灘の河口まで、そして天竜川に流れ込む各支流、合計44ヶ所に測定地点を設けて調査を行いました。さらに水質は時間的な変動や河川の自浄作用により変化するため、24時間にわたって2時間間隔で計13回の観測をしました。このような広範囲かつ日変化を含めた水質調査は過去に例のないことであり、非常に意義のある調査であったと考えています。

 

諏訪湖や天竜川の水質を少しでも向上させるために、まず私たちは水質調査を通じて現状を理解するところから始めました。そして今回の調査結果を今後の提言や活動に活かしていきたいと考えています。

 

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