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○ 兵庫県「三田地域安全活動促進モデル地区(三田CP隊)」では、管内のテクノパーク企業団地において、犯罪抑止企業を指定し、その管理者及び従業員に対して、地域安全活動の推進と身近な犯罪の防止について呼びかけ、防犯意識の高揚を図った。

 

○ 鹿児島県「西姶良地区地域安全活動促進モデル地区」では、少年非行防止活動の一環として、加治木警察署、加治木、姶良、蒲生、溝辺4町と連携して、地元出身のサッカーワールドカップ日本代表の城 彰二選手がモデルとなって、少年非行防止を訴えるポスターを作成し、小・中・高校、役所、関係機関に配付した。

ゴールを狙う城選手の横には、標語「迷うな青春 誘惑にキック」、また城選手からのメッセージ「みんなにも夢を持ってほしいと思う」が添えられている。

 

こうしたモデル地区活動は、「安全なコミュニティづくり」や「安全な地域社会づくり」「好ましい環境づくり」などのための連帯意識を育てる基礎をなすもので、それらは長期継続的な努力によって成果に結びついていくものであるが、各都道府県のモデル地区においては、例えば、

○ 宮城県では、地域住民が身近かに感じている侵入窃盗、粗暴犯、自転車・オートバイ盗、ひったくりは、前年比それぞれ-65件、-29件、±0件、-1件と大幅に減少した。

また、凶悪犯については、強盗1件、強姦3件、強制わいせつ2件が発生したがすべて解決した。

○ 新潟県では、活動重点の一つである少年非行防止総合対策としての「モラルアップ作戦」を積極的に推進した結果、少年による万引き事犯は、前年比-47.1%の大幅減となった。

○ 福井県では、「少年の非行防止と健全育成」を最重点課題とした各種活動を展開したが、これに対し、少年たちも機敏に反応し、カーブミラー等の清掃活動や高齢者へのメッセージ活動等の社会奉仕活動を自発的に行い、また、防犯ポスター、作文の応募は、前年の約2倍の125点となった。

○ 奈良県では、高齢者を狙ったひったくり多発に対応して、高齢者を対象とした講習会の開催、ポスター・チラシによる広報啓発を実施した結果、県内のひったくり発生件数が激増している中、地区内の発生件数は前年比-3件と減少した。

というように、現実に地域における犯罪発生件数が減少し、防犯・安全意識の高揚が見られるなどの成果を上げた。

(財)日本船舶振興会(日本財団)による補助事業「地域防犯活動促進モデル地区活動」事業は、平成10年度をもってピリオドを打つが、5年にわたる事業活動の成果が核となって、周辺地域に波及している現況から、さらに地域安全活動を継続し、活動のひろがりを図ることによって、「安全で住み良い地域(街)づくり」の進展とより大きな成果が期待される。

 

 

 

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