2. 外貿コンテナ貨物流動の現状
ここでは、主に「平成5年度全国輸出入コンテナ貨物流動調査」(1993年11月の1か月の実績調査)を用いて、九州における国際海上輸送網の輸送対象となる外貿コンテナ貨物流動の動向を把握する。
(1)県別にみた生産・消費動向
1989年においては、輸出が27.9万トン/月、輸入が17.5万トン/月と、大幅な輸出超過であったが、93年にあっては、輸出が微減(27.5万トン/月)であったのに対し、輸入が倍増(34.5万トン/月)し、輸入超過となっている。
県別では、福岡県が輸出入とも九州全体の5割を超えており、熊本県がこれに続いている。長崎県は輸出入とも3〜5%、佐賀県では輸出入とも7〜9%のシェアを占めている。
各県とも、輸入の増加率が顕著であるほか、長崎県における輸出の増加が目立っている。
表3-2-1 九州における外貿コンテナ貨物の輸出入量の推移(1か月値)
資料)「全国輸出入コンテナ貨物流動調査」運輸省港湾局より三和総合研究所作成
(2)品目別特徴
九州全体における品目別輸出入量を多い順にみれば、輸出においては、機械機器(34%)、ゴムタイヤ・チューブ(28%)、化学製品(22%)で8割を、輸入においては、食料品(38%)、原料品(木材等、20%)、家具(8%)で6割強を占めている。
県別の品目別貨物量と図3-1-1の企業立地動向と併せてみると、各県の主要輸出品目と大企業の立地が密接に結びついていることが分かる。また、輸入品目にあっては、各県とも食料品の比率が高くなっている。
長崎、佐賀両県にあっては、輸出では、機械機器のシェアが高くなっているほか、佐賀県では、ゴムタイヤ・チューブが目立っている。輸入では、佐賀県において、消費材(家具、衣類、はき物等)と木材のシェアが高くなっている。