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(3)陸上輸送コストおよび所要時間の比較

 

ここでは、九州域内主要都市から外貿コンテナ航路が開設されている各港湾への所要時間、陸上輸送コスト(タリフベース)について比較することにより、近隣港湾利用と拠点港利用による陸送費の格差を明らかにする。

なお、ここでは九州域内の主要都市として、福岡市、北九州市、長崎市、佐世保市、佐賀市、熊本市、大分市、宮崎市、鹿児島市を対象として取り上げ、各都市の最寄り港は、それぞれ博多港(福岡市、熊本市、佐賀市)、北九州港(北九州市)、長崎港(長崎市)、伊万里港(佐世保市)、大分港(大分市)、細島港(宮崎市)、志布志港(鹿児島市)とした。また、対象港湾については、ケーススタディの対象となる長崎港についても示した。

 

1]各主要都市からの輸送コストの比較

 

九州地方の主要都市から、外貿コンテナ航路が開設されている最寄りの港湾、博多港、北九州港、神戸港まで、20フィートコンテナあるいは40フィートコンテナを陸送した場合の輸送コストを比較すると、表2-2-3に示すとおりとなる。

外貿コンテナ定期航路が至近の港湾で開設されている福岡市、北九州市、長崎市、大分市については、20フィートコンテナの場合、1.7万〜2.5万円、40フィートコンテナの場合、2.6万〜3.9万円となっている。

一方、外貿コンテナ航路が、主要都市から比較的離れた県内の港湾に開設されている宮崎市(細島港)、鹿児島市(志布志港)については、20フィートコンテナで5.5万円〜6.4万円、40フィートコンテナで8.5万円〜10.2万円程度となっている。

また、県外の港湾が最寄りの航路開設港湾となる佐世保市(伊万里港)、佐賀市(博多港)、熊本市(博多港)のうち、佐世保市、佐賀市では、20フィートコンテナの場合約3.5万〜4.5万円、40フィートコンテナの場合5.5万〜7.0万円程度となっている。熊本市については、それぞれ7.4万円、11.5万円といずれも対象都市内で最も高い。

次に、各港から最寄り港を利用する場合と、博多港あるいは北九州港のいずれか輸送コストの安い港湾を利用した場合について比較すると、20フィートコンテナの場合、約4〜7万円、40フィートコンテナの場合、6万円〜11万円程度の差がみられる。

さらに、最寄り港を利用した場合と神戸港を利用した場合の陸送コストを比較すると、20フィートコンテナで14〜18万円、また、40フィートコンテナでは16万円〜28万円程度の差となる。

 

 

 

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