倉庫事業者等において、多端末化など規約の不統一による弊害が顕在化する一方、情報化の遅れている中小トラック事業者等においては、人的・物的な負担が情報化の障害となっており、標準化の推進は物流情報化自体を促進するために重要である。
これに加え、物流のシステム化・共同化という物流構造の変革を促進するために不可欠な企業間の情報の共有化を円滑に進める手段として、標準化の推進が求められる。
4]国内海陸一貫輸送促進のための情報ネットワーク化
物流のシステム化に際して、輸送中の貨物追跡管理や在庫状況の随時管理など、調達から納品にいたる一連の物流にかかる情報を随時一元的に管理できることが要請される中で、トラック輸送だけでなく、海運・鉄道についても、その輸送特性に適した役割を担うためには、物流全般の情報化の動きに対応していくことが求められる。
こうしたことから、九州の地理的特性に鑑み、特に海運が物流全体の中でその特性に応じた役割を今後も担っていくための条件として、海運とトラック輸送との情報ネットワーク化が求められる。
5]国際物流の情報化に対する九州域内事業者の対応力向上
国際物流分野における情報化においては、従来から三大湾における情報化が先行しているが、国際標準の採用や港湾諸手続の情報化といった動向に対して、九州内の国際物流の関係事業者や港湾管理者が適切かつ迅速に対応していくことが、九州の港湾の競争力を維持・向上させていく上での一条件として求められる。