日本財団 図書館


次いで1974年には1974年SOLAS条約を採択し、これは1980年に発効し、1981年及び1983年に改正された。また1976年にはインマルサット条約が採択され、1979年に発効した。初期は MARISATシステムで運用されたが、1982年2月よりはインマルサットが引き継いで運用を開始している。

1977年には世界航行警報業務がIMO総会で採択された。これは1979年のIMO総会で改正された。この業務は世界の海洋を16の区域に分け、夫々に航行安全情報に関する調整国を定めて区域内各国より提供される航行安全情報を系統だって放送する NAVAREAの設定と、その放送を受信して印刷するナブテックスシステムが樹立された。

1978年のIMOの第19回無線通信小委員会(COM)よりGMDSSの審議が開始され、一方1979年4月ハンブルグの会議で海上における捜索及び救助に関する国際条約(SAR条約)が採択され、1985年6月22日に発効した。

GMDSSは、1979年の第11回IMO総会で海上遭難安全システムの開発に関する決議 A.420(11)を採択し、A.283(8)を廃止した。1988年11月SOLAS条約改正会議でGMDSSの導入に伴い1974年SOLAS条約を改正し、1992年2月1日から導入を始め、1999年2月1日より完全実施することとした。

これに伴い国内法の整備も着々と行われ、1989年6月21日には船舶設備規程が一部改正され、GMDSS機器の技術基準が定められた。1989年11月7日には電波法のGMDSS関連第1次改正が行われ、1990年9月18日にはGMDSSに関連して電波法施行規則その他の諸規則が改正され、1991年5月2日には電波法のGMDSS関連第2次改正が行われた。1991年5月15日には、船舶安全法のGMDSS導入のための一部改正が行われており、同年10月11日には、船舶設備規程等の一部が改正されて、GMDSS機器の搭載要件等が定められた。

 

1・3 GMDSSの必要性

GMDSSの必要性をIMOでは次のように説明している。

 

1・3・1 現在のシステム

現在までの海上遭難と安全システムは、遭難が発生した船の近くにいる船によって救助が実行されるという原則のもとに成りたっている。この原則によれば、遭難通報は船対船の通信装置が主で通達距離は100〜150海里程度でも、世界中を航行する船にとって適当であると考えられた。そして陸上局のうちの或る局は無線通信規則に従って遭難周波数の聴守を行っていた。このシステムは第一義的には船対船の通信を主体としていたものであったので、1974年SOLAS条約に従う船に対する現在までのシステムは、次の二つの大きな手動による通信操作のサブシステムから成り立っていた。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION