超長波はこのようにして、少ない減衰で地球の裏側までも達することができる。ただし、その伝搬上の減衰は、地球の磁場を横切るときに影響を受け、赤道に平行に東回りは減衰が少なく、西回りは減衰が多い。南北方向の伝搬は影響はない。
長波(LF)帯の伝搬は超長波帯よりはむしろ、中波帯の伝搬に近いので次を参照されたい。
7・4 中波の伝搬
中波(MF)帯の電波の利用は、比較的近距離では地表波の伝搬が主体であり、中距離ではE層での反射の電離層伝搬が主体になるが、短波ほどは遠くまでは届かず、昼間はD層での減衰が大きくE層の反射波はきわめて弱い。夜間はD層の減衰が少なく、ときには数千kmまでE層の反射波が伝搬することがある。近距離での地表波は昼間は安定であるが、夜間はE層からの反射波が比較的近距離でも受信されて、地表波と干渉し、フェーディングを生ずるが、両波の強度が等しい地域では、強いフェーディングになる。