(参) 純粋な銅の導電率は5.8×107 〔Ω/m〕
図7・1 電波の距離による減衰
地球の上には空気(大気)があるが、この大気は上にいくほど薄くなって、ついには真空状態になる。この空気が比較的濃く存在し、いろいろな気象現象を生ずる地表から10数kmまでの部分を対流圏と呼ぶが、このような大気も一部の電波の伝搬に影響を与える。そして、その影響は、大気の気圧(密度)、温度及び水蒸気の含有の度合(湿度)によって顕著に変る場合もある。
対流圏を上に昇っていくと大気はさらに薄くなり、もはや電波の伝搬にはほとんど影響を与えなくなるが、なおその高度をあげていくと、今度は一層薄くなった大気が太陽からの放射によって電離し、電子とイオンに分かれている電離層という層をつくっている。電離層は地上数10kmから数100kmのかなり厚い層であって、その中にある遊離した電子が電波の伝搬に大きな影響を与える。この電離層の構造などについては次の節で述べる。