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この前記混合ガスの水素の代わりに炭酸ガス(CO2)を使用すると、シリコンの酸化膜(SiO2)が成長する。

こうして作ったシリコンの酸化膜に図4・1に示すように、感光剤を塗り、これに写真の感光をさせて現像をすると、露光をしていない感光剤は溶け去るので、そのあと、蝕刻液でその部分の酸化膜を溶かして、シリコン部分を露出させて、残った感光剤は除去する。こうやってできたシリコンの露出部には、ドナーやアクセプタの不純物を“部分的に”拡散させたり、SiO2の上に薄膜を付着させたりする。さらに、必要に応じて電極を圧着する。

 

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図4・1 ウエハー処理工程の一部

 

ICの単位となっているトランジスタとの相違点は、基板であるシリコンをいくつもの用途に使うことで、このため一枚の基板を、動作的には独立の素子に分離しなければならない。このためには、P型の基板であれば、図4・2の(a)に示すようにN型の部分を作って分離(PN接合分離)したり、(b)同図に示すようにSiO2の絶縁層を作ったり(絶縁層分離)、あるいは素子の部分を削り落としたり(空気層分離)する。

 

 

 

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