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図3・22 AM変調波の周波数スペクトル

 

(2) 振幅変調回路の例

 

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図3・23 ベース変調回路

 

振幅変調回路には、コレクタ変調回路、ベース変調回路、エミッタ変調回路などがあるが、ここでは図3・23に示すベース変調回路についてのべる。

同回路は基本的には図3・13の高周波増幅回路と同じものであるが、ベース部に変調入力端子が付加されている。バイアス抵抗R1,R2,R3 の値を適当に選び、動作点をA級とB級の中間に設定する。変調入力が加わらない場合には、図3・20(b)の搬送波が増幅されて一定振幅の出力が得られる。入力に図3・20(a)の信号電圧が加わると、 (+)の電圧のときは動作点が上がり、 ベース電流が増して、 コレクタ電流も増すので、 出力電圧の振幅が増加する。一方、 (-)の電圧のときは動作点が下がり、 ベース電流が減り、 コレクタ電流も減るので、 出力電圧の振幅は減少する。すなわち変調入力電圧の(+)(-)により増幅回路の増幅率が変動し、 出力は図3・20(c)のように振幅変調されることになる。変調された搬送波のことを被変調波と呼ぶ。被変調波の頭をつないだ包絡線には信号電圧波形がそのまま現われている。

次に単側波帯振幅変調回路について述べる。単側波帯(SSB)方式の変調回路のうちよく利用されるものは図3・24に示すように振幅変調器と単側帯波抽出用帯域フィルタから構成されるもので、 振幅変調器としては主にリング変調器と呼ばれる搬送波抑圧変調器(図3・25参照)を用いてあらかじめ搬送波を除き、フィルタの機能を側帯波間の分離にとどめフィルタに対する要求を緩和する方法が普通用いられる。

 

 

 

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