式(3・19)よりvmの周波数スペクトルは図3・21のようになることがわかる。式(3・19)の右辺第1項は元の搬送波を、第2、第3項は信号波が変調された成分を表し、それぞれ上側帯波、下側帯波と呼ぶ。またmは常にm<1でなければならない。信号波が単一正弦波でなく、ある帯域幅のスペクトルを持つ複合波のときは図3・22に示すように変調波の上下の側帯波のスペクトルは信号波のスペクトルと同じ形状になる。
以上からわかるように振幅変調方式では送信局から送られる変調波の電力は搬送波、上下側帯波のおのおのの振幅の自乗和に等しいからV2(1+m2/2)となり、また、帯域幅は信号波の帯域の2倍となる。一方受信局で、もとの信号波を再現するのに必要なのは上下側帯波のいずれか一方だけである。したがってこの方式の電力効率ηは