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これに対して図3・14(a)の回路のように、(+)(-)の信号電圧のいずれも働くことをA級動作という。電力増幅回路には使用条件に応じて最大定格の大きいトランジスタを用いる必要がある。

 

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図3・14 電力増幅回路

 

3・2 発振回路

発振回路とは直流電源から回路に与えられるエネルギを使って、一定の繰り返し周期をもつ電気振動を発生させるものである。

無線通信を行う場合には、正弦波の高周波電波が必要であるが、これは送信機の発振回路によって生じた電気振動を増幅して、空中線から空中へ放射させる。また、正弦波発振回路は、微弱な電波を受信する際に用いられるヘテロダイン方式での周波数返還という動作を行い、安定で能率のよい増幅を可能とする。水晶発振回路は安定した周波数の正弦波を発生し、正確な時計や測定のときの基準周波数に用いられる。

船舶用無線通信機の場合、非常に多くの送信及び受信周波数を具備することが要求される。精度の高い多くの周波数を発生させる手段として1つの高安定の水晶発振器より多くの周波数を得ることができる周波数シンセサイザーが発振回路に用いられることが多いので、この方式についても述べる。

 

3・2・1 発振回路の動作原理

図3・15のブロック図で表される回路の利得を考える。この回路で主増幅器の利得はA倍、帰還回路の利得はB倍でいずれもベクトル量である。主増幅器の入力電圧は外部からの入力電圧V1と出力電圧V2を帰還回路によってB倍したBV2の和である。

 

 

 

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