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(2) 直流負荷直線

図3・2において、ICはRLとトランジスタのコレクタとエミッタ間及びエミッタ抵抗REの中を流れる。したがって、コレクタ・エミッタ間に加わる電圧VCEは、VCCからRLとREによる電圧降下分を引いた電圧となり

 

VCE=VCC-(RL+RE)IC (3・1)

 

で表される。

図3・4はエミッタ接地のVCE-IC静特性曲線で図2・23 (I)と同様のものである。いま、 トランジスタの内部抵抗(コレクタとエミッタ間の抵抗)が無限大となり、ICが0になったとすると、(RE+RL)中の電圧降下は0なのでVCEはVCCに等しくなる。すなわち、VCEは図3・4のB点であり、IBが0の場合に相当する。逆に内部抵抗が0になった場合は、コレクタとエミッタは同電位、すなわち、VCEは0となるからICは(3・1)式より

 

IC=VCC/(RL+RE) (3・2)

 

となる。これが図中のA点である。(3・1)式の関係は図3・2の回路において、IBを0から増してゆくときに変化するICとVCEの関係を示したもので、A点とB点を結んだ直線で表される。この直線を直流負荷直線という。

 

054-1.gif

図3・4 VCE-IC 特性曲線と負荷直線

 

(3) 交流負荷直線

交流の入力信号に対しては、リアクタンス分が0とみなされるほど小さくなるように、CCとエミッタのバイパスコンデンサCEの容量を十分に大きくとる。

 

 

 

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