日本財団 図書館


ARPAに要求されている機能の基本的な要件は、航海者がレーダーの画面を見ながら手動でプロッティングをすることによって衝突の危険のある船を見いだすのと同じ信頼度と同じ精度で、自動的に、あらかじめ設定されたある距離範囲に相手船が入ってきたこと及び衝突のおそれのある危険船の存在を警報することである。このためには、自船の周囲の船舶の航行の状況を、手動によるプロッティングなしで判断ができる画面を作成して表示をし、かつ、避航操船のシミュレーションができる手段を持つこと等が要求される。したがって、ARPAは、他船のエコーを雨雪反射や海面反射から分離して検出し、その検出した船舶のエコーが、操作者があらかじめ設定しておいたある距離範囲に近寄ったときにはそれを検知して音響警報を出し、表示器上にも表示しなければならない。更に、検出したエコーはある優先順位に基づいて捕捉をするが、この捕捉を自動的に行っても、人がその順位を判断して手動で捕捉してもよい。また、陸地エコーとの混乱を防ぐためには、捕捉の範囲を手動で限定させる必要もある。捕捉できる船舶の数は、自動、手動にかかわらず20物標以上と決められている。

捕捉した物標は、その後の動きを連続的に自動追尾され、その追尾の結果として求められる自船に対する方位と距離の変化を計算機に入れるとともに、ある条件の下に、過去の位置のデーターも記憶しておく。このとき、図5・7に示したように、自船Oから相手船Tの相対針路TC上に垂線を下ろしてその足をCとすると、OT、OC及びTCで三角形が構成されるが、このときの点Cを目標の最接近点=CPA(Closest Point of Approach)といい、この最接近点に到達するまでの時間、すなわち距離lを、相対速力VRで割った時間(l/VR)をTCPA(Time to CPA)という。

 

088-1.gif

図5・7 衝突三角形

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION