このようなメモリの内容は、書き込みを行う一方で(0、0)から(X、0)へ、(0、1)から(X、1)へ、というように水平方向に読み出しが行われ、その結果がCRTに表示される。この場合、一画素当たり1ビットの記憶であればその結果は2色又は明暗といった表示しかできないが、2組のメモリを用いた2ビットであれば、エコーの強い順に11、10、01、00となり、これを色分けすれば赤、黄、緑、青(黒)の4色あるいはそれらの色の濃淡を含めた4階調、3ビットのときは8色又は8階調の表示をすることができる。
これらのメモリへの書き込み、読み出し、あるいはCRT表示への制御は、すべて制御回路で作られる空中線の走査とパルスの送信に同期した制御信号によって行われる。
このような、ディジタルレーダーによる映像のカラー表示は、波や雨などのクラッターの識別、偽像の識別などにも利用できるので、今後は多くの機能を持った機種が開発されていくものと思われる。
練習問題
(問1)航海用レーダーにおける、トリガ信号、送信パルス、スイープ用波形、固定距離マーカー、のタイミングチャートを図示せよ。
(問2)0.5(海里)間隔の固定距離マーカーを作るためには、何(μs)間隔のパルスが必要か、また、そのための発振周波数は約何(kHz)か。
(問3)航海用レーダーにおけるSTC回路及びFTC回路の役目と、その出力波形を説明せよ。