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3・6・2 ゲート回路

CRTの中心から外周までの距離、すなわち探知距離範囲は、0.5海里、1海里、3海里や10海里のように、探知したい物標の距離に応じて切り換えることができるようになっている。これを掃引時間について考えてみると、0.5海里では6.17μs、1海里では12.35μs、10海里では123.47μsの時間内に輝点を中心から外周まで掃引しなければならないことになるが、この探知距離に応じて時間幅を決める回路がゲート回路である。また、この掃引時間以外に生ずる不必要な映像は写し出さず、さらに掃引線の帰線を消去することも必要となる。これには、送信が休止している間はCRTがカットオフになるような電圧をかけ、探知時間の間だけカソードに負の電圧(又は第2グリッドに正の電圧)を印加してバイアスを浅くして、第1グリッドに信号入力があれば掃引線が輝点となって光るようにすればよい。これらの時間関係を図3・31に示す。

一般にゲート回路には、トリガに同期したワンショット・マルチバイブレーター回路が使われている。

 

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図3・31 表示回路の時間関係

 

3・6・3 掃引回路

掃引の時間軸を作るための回路で、図3・32に掃引回路を示す。

偏向コイルには、図3・33に示すような直線性の良いのこぎり波電流が必要である。これは、電磁偏向型のCRTを使用する場合、電子ビームは磁力線で偏向されるので、その偏位量が時間的に正しく比例するためには、磁力線の強さもまた一定の割合で増加しなければならないからである。そのためには、偏向コイルに流れる電流の大きさが時間的に比例すること、すなわち、その電流波形が直線的なのこぎり波であることが必要である。

 

 

 

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