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送信部の動作はトリガ信号によって始まる。このトリガが加えられるとサイリスタ(SCRという以下同じ)またはサイラトロンが所定の時間幅だけONになってスイッチの作用をし、その時間幅をもった高電圧のパルスがマグネトロンに加えられると、マグネトロンは非常に高い尖頭出力で発振することになる。

3・2・1 トリガ回路

レーダーのすべての動作はトリガを基準としている。トリガ回路は送信部と表示部の動作を同期させるための同期信号としてトリガパルスを発生するが、この同期信号の周波数が送信繰り返し周波数(PRF)となる。いま1秒間に1,500回ずつ(パルス繰り返し周波数1,500Hz)トリガパルスが出たとすれば、表示器のブラウン管(CRT)上を走査する掃引線(スイープ)もトリガに同期して1パルスごとに1回ずつブラウン管の中心から端までスイープすることになり、同時にこのトリガにより、サイラトロンやサイリスタがONになってマグネトロンが発振するから、送信の時間とスイープの基点(ブラウン管の中心)とが一致することになる。

トリガパルスを発生する回路にはいろいろあるが、レーダーを小型化するために高周波の電源を作り、その周波数を1,000〜2,000Hzに選んで、この電源周波数を利用してトリガパルスを作る電源同期方式のものが多い。この回路の一例として電源周波数が1,500Hzの場合のブロックダイヤグラムを図3・6に、タイミングチャートを図3・7に示す。

 

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図3・6 トリガ回路のブロックダイヤグラム

 

 

 

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