3・1・2 動作の大要
同期信号発生器で、図3・2(a)に示すように、パルス幅τを有するパルス電圧を周期Tで繰り返し発生し、それで変調器のサイラトロン等を放電させて短時間(τμs)持続する高電圧を発生し、これをマグネトロン発振器に加える。マグネトロンは、パルス変調器から高電圧が加えられたときだけ高周波振動を生ずるようにしておくと、τμsの幅をもった繰り返し周期Tのパルス波を発生する。このパルス波を、導波管と送受切り替え回路等を経て、ある速度で回転している空中線に導き、ここで鋭いビーム状にして全方位へ発射する。
発射された電波の通路の中に、レーダーからの距離がR(m)の場所に反射物標があると、電波はここで反射され、再びレーダーに戻ってくる。この反射されて戻ってくる電波をレーダーのエコーと称し、エコーは往復で2Rの距離を伝搬したことになるから電波の伝搬速度をc(m/s)とすると、発射電波より2R/cだけ時間が遅れ、図3・2(b)のような時間関係となる。