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第1章 レーダーの基礎

 

1・1 レーダーの原理

レーダー(Radar)とは、Radio Detection and Rangingの頭文字をとった略語で、電波を用いて目標物の存在を知り、その方位と距離を測定する装置である。この場合の測定とは、レーダーのあるところから、どの方向に、どれだけの距離に目標があるというようにして行われる。レーダーそのものの原理は、山びこの原理と同じである。いま電波をある方向に向けて発射すると、もしその方向に物標があれば、発射電波の一部は物標で反射されて再びもとの発射点に帰ってくるので、これに要した時間を計測することによって、その物標までの距離を知ることができる。すなわち、電波が発射されて、その電波の反射波が発射点まで、帰ってくるのに要した時間を△Tとすれば、反射物標までの距離Dは次式により求めることができる。

 

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ただし、Cは電波の伝搬速度(3×108m/S)である。

また、その物標の方位は電波を細いビームとして空中線から発射することにより、その空中線の向いている方向として測定することができる。

1・2 電波の性質とレーダーの電波

(1) 電波の性質

電波は正確には電磁波といい、図1・1のように電界Eと磁界Hとが互に直交して、周期的な変化をしながら、空間を伝わっていく波動である。この電磁波は、周波数が次第に高くなると、赤外線、可視光線、紫外線、X線までをも含むが、電波と呼ばれているのは300万MHz以下の周波数の電磁波と定義されている。その下限ははっきりとは定義されていないが、大略8kHzからということになっている。

 

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図1・1 電波の伝搬

 

電波の基本的な性質については、大略次のようなことがいえる。

1] 電波は真空の自由空間では一定の速度をもって進むが、その速度は光速と同じで次式によって示される。

 

 

 

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