この指向特性は、大地に対して垂直な面を垂直指向、水平な面を持つものを水平指向特性という。図は航海用レーダーの場合の水平面指向性を示す。
(ハ) 放射抵抗
送信空中線から電波が放射されるとその空中線には電波が流れ、入力側からみたときそこに抵抗があることになる。この抵抗を放射抵抗(Rr) といい、次式で表される。
Pr:放射電力
I:空中線電流
(ニ) 偏波
電波は、電界と磁界とが、進行方向に対して直角に発生し、進行方向には生じない。
この電界の向きと電波の進行方向が作る面を偏波面といい、次のように区分される。
(i) 直線偏波
時間的に一定な波を直線偏波という。更に、大地に対して電界が垂直な場合を垂直偏波、水平な場合を水平偏波という。
したがって、電波を受信する場合、垂直偏波の電波に対しては垂直空中線を、水平偏波の場合には水平空中線を用いなければならない。
普通、航海用レーダーで使用されている電波は水平偏波である。
(ii) 円偏波
一波長の間に電界が右廻り又は左廻りに 360°旋回しながら進行する電波を円偏波という。