日本財団 図書館


196-1.gif

図8・7 ビーム幅の表し方

 

(6) 利得

空中線の利得とは、電波法施行規則で「与えられた空中線の入力部に供給される電力(Pi)に対する、与えられた方向において、同一の距離で同一の電界を生ずるために、基準空中線の入力部で必要とする電力(Pis) の比(Pi/Pis) 」と定義されている。

送信空中線の場合はその送信の能力、受信空中線の場合はその受信の能力を表す用語で、主にデシベル〔dB〕(G=10log10(Pi/Pis)dB〕)で表示される。基準空中線として無損失で無指向の空中線か半波長の無損失の理想的なダイポール空中線を考え、前者と比較した場合を絶対利得、後者と比較した場合を相対利得という。

半波長の無損失ダイポール空中線の最大放射方向の絶対利得は、2.15dBであるから、

 

(絶対利得)-2.15dB=(相対利得)    (8・10)

 

の関係が得られる。

(7) 受信に関する各種特性

今までは、空中線を送信用として使用した場合の各種特性について記述したが、ここでは受信用として使用する場合について記述する。

(a) 誘起電圧と受信電力

いま、空中線は電波を最も有効に受信する方向に向け、電界強度E〔V/m〕の受信点に実効長he〔m〕の空中線で受信する場合、

 

VO=Ehe〔V〕    (8・11)

 

の電圧を誘起し、そのため受信電流が流れる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION