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これを自動的に行うのがTR管とATR管であり、ともに導波管の一部に挿入して使用する一種の放電管である。これらの放電管は送信の出力により放電を開始し、送信が終わると直ちに放電が停止するように作られている。図7・24にTR管を、図7・25にATR管を、また図7・26には両切替え管の導波管への取付けを示してある。TR管は図7・24のような構造で、上半部は共振空洞と放電電極とから構成され、両側に導波管と結合のためのガラス窓がある。この上半部を図7・26のように導波管の一部に挿入しておくと、放電が生じない状態では、マイクロ波はこの回路を通して受信機へ接続されている。

 

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図7・26 TR管及びATR管接続図

 

送信が始まると放電電極は放電をして、管の中は短絡状態になって、マイクロ波はこの部分を通り抜けられなくなる。この場合、送信と同時に放電が生じるよう下側のキープアライブ電極でイオンを作り、あらかじめ陽イオンを供給するようになっている。放電管の中には水素ガスと水蒸気又はアルゴンガスと水蒸気が封入されていて、このうちの水蒸気はイオンをできるだけ早くなくするための役を果たしている。また、このTR管はT分岐から1/4波長のところに取り付けられていて、この放電で回路が短絡されると、分岐から見たインピーダンスは無限大になり、送信電力はこの分岐で減衰することなく空中線に導かれる。

これに対してATR管は図7・26に示すように分岐から1/2波長のところの管壁に直列に取り付けられていて、放電が生じない状態では導波管がここで切れているのと同じになり、分岐から見たインピーダンスは無限大となって受信信号が送信機側に行くことが阻止されている。送信によって放電が生じると、この結合口が短絡されたのと同じ効果になって、送信信号は損失なくこの部分を通過する。このほかに送受切替え作用を行うものとして、サーキュレータ型デュープレクサーやダイオードリミッタが多く使用されるようになってきている。

 

 

 

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