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キャッチャのグリッドG3とG4をそのような位置に置くと、その電子群の通過によって、マイクロ波信号が誘起されて空胴を共振し、これはバンチャ側の空胴共振器への入力に対して、増幅をされた信号として取り出すことができる。このクライストロンを発振器として使用するときには、図の出力の一部を適当に入力側に戻してやればよい。

反射形クライストロンは、この直進形の構造を中央で折り返したものと考えればよく、その構造を図7・7 に示す。

 

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図7・7 反射形クライストロンの構造

 

反射形では空胴共振器は一つで、直進してきた電子を追い返すための、リペラと呼ばれる負の電圧の掛かった反射電極が用意されている。図7・8 に直進形の電子の動きと同じようにして、反射型のクライストロンの電子が集まる状況が示してあり、その構造と反射電極などに加えられた電圧によって、G1とG2のグリッドで加減速された電子が戻されて、G2とG1を通り抜けるときにちょうど一群となり、かつ、G1とG2に加わっているマイクロ波の電界が増幅されるようなタイミングになっている。

 

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図7・8 反射形クライストロン内の電子の動き

 

したがって、G1とG2にある信号が発生すると、電子の流れがそこを往復の二度通ることによって、信号は次第に拡大をしていき、発振器としての動作することになる。航海用レーダーに使用される反射形クライストロンの代表例として2K25があるが、共振空胴内蔵型で、その特性は次のとおりである。

 

 

 

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